なにからなにまでてけとーです。


by 言壺

本屋さんとか出版業とか自分の仕事とか。

ここんとこTwitterのTLで某書店が話題をよく見かけるけど、なんか世知辛いのう……。

しかし大手書店はどこも「おしゃれ感」目指しているのだろうか。増えているということは成功しているのだと思いたいが、実際のところどうなんだろう。
でもリニューアル後の書店はことごとく似たり寄ったりの品揃えになっちゃってる感があるんだけど……はんこで押したみたいな。ベストセラーは見えるところにあって、話題になっているのとメディア化の本は平積み。

あと“カフェ併設”。あれ、なんだろうな。自分としては会計前の書籍をカフェに持ち込みOKな書店で買い物したくないんだけど、これが「どこのだれにでも受ける本棚」という、今生き残っている書店のあり方の答えなんだろうか。
「普段本屋に行かない人にも足を向けて欲しい」的なことか、あるいは本だけを売る業務形態からの変化の時なのかとは思うけど、なんかこう、“本屋風”の何か、とでもいうか、違和感あるけど、古い感覚なのかなあとか考えてしてしまう。

個人的にリニューアルで特に残念だったのはアキバヨドバシの書店。
以前は売場面積広くて、平積みいっぱいあって、普段買わないようなのも手に取りやすくて、うえーい本屋って楽しーい! と感じられる場所だった。会社帰りによく1時間ぐらいうろうろした。
ワンフロアで全ジャンルの本が見られるのも良かった。超大型書店だと複数のフロアにまたがっていて目的の本以外を目にすることが無いけど、ワンフロアならぐるっと一回りすると様々な書籍が目に入るし手に取ることができる。
自分が新書を買うようになったのもこの書店の品揃えのおかげだった。平積み棚でディスプレイされている小さなフェアも興味がそそられる内容で、ここでいっぱい(※個人の感覚です)買った。

だけど、リニューアル後は面積減って、まあそれはご時世的に仕方がないのかなあとは思うけど、新書コーナーが激減。以前は確か5つぐらいあった棚が、リニューアル後は元の棚ひとつの半分になってしまった。ショックだった。もう寄り道して行く意味が無くなった。

あともうひとつ後悔してることがあって、この書店で平積みになってたゲームのアートワーク集を買わなかったこと。
すっごい自分好みだったんだけど、安くないし、ちょいグロだし、そもそも知らないゲームだし……でもこんなに気になるんだから買ってもいいかな〜! 次行った時にでも〜!!  ……と思って次に行ったらリニューアル後で、このジャンルの本も少なくなって目的の本を完全に見失ってしまった。タイトルも分からない。何時でも買えると思ってたんだ。ばかだなあー自分。

しかし、私の「いっぱい買った」は月に10も20も〜っていうわけじゃないし、この程度の客だと意見を取り入れるべき層ではないのかな。うーん。だけど他にもいたんじゃないかなあー! 私みたいな人! …って思いたい。
「客層を広げたい」というのは分かるが、見た目はよくしても中身が伴わないと従来の本が必要な人たちが離れない? そうしたいのかな。「従来の客+新しい客層」となるようになればいいけど。

でも、そもそも本も万人に必要なモノじゃないしねえ。
読まなくても大人になれるし、仕事につけるし、家庭も持てるし、子どももつくれるし。おおざっぱな言い方をすれば文章の読み方さえ理解できていればいいんだもんね。義務教育の国語の授業を一通り受ければなんとかなるんだろう。
学校でもやたらと「本を読みましょう!」って言うけど、ほんとに意味を考えて言ってる教育者はどれだけいるんかね? 言うだけ言って、図書館与えればいいってわけじゃないと思うんだよ。

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少し前に出版業の話もはてぶで出てたけど、これもほんとそう思う。

 →出版業界はもう終わっている (はてな匿名ダイアリー)

仕事で出版関係のお客さんがいるが、とにかく目先の出版物を出すのが目的で、クオリティーとか正確さとか市場価値とか全然関係無くなってる。
私が担当している週刊の情報誌では、校正はWeb上でできるシステムを利用している。制作したゲラをアップロードすると、お客さんはブラウザ上でそれをチェックして修正部分にコメントをを書き込んで、問題が無くなったら最後に“校了”のボタンをクリックする。制作の私は校了になっていることを確認して、対象のデータを製版入稿する。
……のだが、最近はゲラをアップロードした直後に校了になる。200ページ近いゲラを5分もしないで見終えるはずはない。全ページをプレビューするだけでそれ以上かかるはず。
本来ならば

「アップロードされたゲラをチェックして、最後に校了ボタンをクリックする」

という作業が、

「アップロードされたら校了ボタンをクリックする」

になってしまっているのだ。

校正はこちらでは一切しない取り決めの仕事なのだが、あきらかに日本語がおかしい箇所・誤字や文章のおかしな点は関連する公式サイトを確認して修正している。完全にサービスである。というか、組み版のチェックをするつもりでざっと目を通したするだけで見つかる不備があるのに、校正するはずの出版社がノーチェック。で、下版になってしまう。
だけど、担当の方は情報誌作成以外のフェアだのイベントだのの準備で全く時間が無いらしいのだ。毎週の校正は二の次である。ほおっておいても校了ボタンさえ押せば、決められた日にモノは納品されるから。

私がこの仕事を担当してから、お客さんの担当者は5人変わっている。
最初のうちは文章校正をしていたが、今では何のために作ってるのかさっぱりわからんようになってしまった。会社的には制作代・印刷代が入るので、お金が動くというところでは大変意味はあるけど。

書籍関連の界隈は制作も印刷も販売も、手段と目的とが微妙にずれていて何のために本をつくるのか、売るのか? 考えるとすべて無駄に思えてくる。
毎週2000冊近く、コミックも入れたらもっと出版されているはずだが、減らしてもっとひとつの本に集中して制作・販売したら……やっぱ食べられなくなる人が増えるだろうか。増えるよな。
というか自分が真っ先に失業しそう。

無駄の上に自分の収入が成り立っているんだなあーと思うと真面目に生きているひとたちに申し訳ないな。せめて経済回すつもりで、今日も漫画買ったりしたいと思います(小さい)。
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by kototubo | 2018-05-06 20:05 | にっき。 | Comments(0)